11月の夕暮れ
キンモクセイの甘い香りも無くなり、夕暮れが早くなったと思う。
家の灯りが温かさを、夕闇の中にいることを寂しく感じさせる。
泉中央のバスターミナルは家路につく、人々の波。群れを作って泳ぐ魚のよう。
先月、今月と行われた勉強会も今日で一段落。
バスを待っていたのだけれど…
ふと、歩きたくなって富谷の住宅街から地下鉄の駅まで歩いてしまった。
歩き始めた時には、まだ水色の空と高い雲が見えていたのだけれど、地下鉄の駅につく頃には真っ暗。
きれいに整備された道と街路樹。
整えられた庭。
昔、放送してた「金妻」に出て来そうな街並みで、一戸建て住宅が並び、一人暮らしなんていない(多分)
その家の内情など知らなければ、そこに家を構えていることは幸せの象徴。
いつか自分も「お帰りなさい」「ただいま」のシーンを夢見てみるけれど…
一人暮らしでパートナーのいない人間が蜂の巣になるには、閑静な住宅街の中にいればいい。
でも、今日の勉強会のように人と会うことが増えました。
お客様の幅も広がり、お付き合いが増え、仲間に加えて貰えます。
まだ慣れていない分、戸惑ったり、煩わしく思うこともあるけど、必要とされたり、誘いを受けたりと、何だか人並みに人の付き合いが営まれているようで、嬉しいです。
移転して二年。
これからの仕事の方向性を変えた資格取得から半年。
50歳を挟んで、ゆっくりと舵が切られたような気がします。底に沈んだものが巻き上がるけれど、行き先ができました。
離婚の話、介護の話、病の話、仕事の話…
肩や手に見えない荷物を抱えながら歩く者。
自分もまた、夕暮れのバスターミナルに群れる、人波に混じっているんだろう。